親族が成年後見人になる際のデメリットの一つは、定期的な家庭裁判所への書類提出や報告、財産目録の作成など法的手続きに伴う負担が大きいことです。成年後見人は、被後見人が亡くなるまでの間、家庭裁判所に対して財産目録の提出や定期報告を行います。
この中で、特に重要なのが定期報告です。これは年に1回、後見事務について家庭裁判所に報告することを指します。ただし、これだけではなく、家庭裁判所が求めた場合には都度、後見事務の報告をする必要があります。こうした手続きは、法的な要件を遵守する必要があるため、成年後見人には精密な作業が求められます。
特に定期報告においては、被後見人の財産について単に大まかに記載するだけでなく、すべての収支を1円単位で詳細に記録し報告しなければなりません。この正確な記録は、裁判所に対して被後見人の財産状況を透明かつ厳密に報告することを意味します。一つでも不備があれば、裁判所から指導を受ける可能性もあります。
そのため、毎年正確な財産目録の作成や定期報告の準備は、成年後見人である親族にとっては相当な負担となります。これには時間と労力がかかるだけでなく、法的な知識や経験も必要です。誤りや不備があれば、それが後々に裁判所とのトラブルの原因となりかねません。したがって、成年後見人になる場合はその法的な負担を理解し、慎重に検討することが必要です。