ここでは親が認知症になった場合におこるトラブルを詳しく紹介します。
・親が認知症になった場合のトラブル その8
認知症のリスクの一つとして、不必要な物を無駄に購入してしまうケースがあります。判断力や記憶力が低下することで、自分が何をどれだけ持っているのかを把握するのが難しくなり、必要のない商品やサービスを繰り返し購入してしまうことが少なくありません。例えば、同じ日用品を何度も買い込んだり、テレビや電話で勧められた商品を深く考えずに購入してしまうことがあります。このような無駄な支出が積み重なると、限られた財産が次第に減少していきます。
さらに、販売員や業者が悪意を持って高額な商品を勧めるケースでは、認知症の方が気づかないうちに大きな負担を背負わされる可能性もあります。また、ネット通販の利用が増えている現代では、簡単に購入手続きが進んでしまうため、後から家族が気づいた時には既に多額の支出が発生している場合もあります。これにより、貯蓄が減少し、将来的に必要となる生活費や医療費、介護費用に充てるべき資金が不足するリスクが高まります。
無駄な支出が増えることで、家族や周囲の人々にも精神的・経済的な負担をかける結果となることも考えられます。そのため、認知症の兆候が見られた場合は、早めに弁護士などの専門家と相談し、適切な対策を講じることが重要です。成年後見制度や財産管理契約を活用することで、本人の財産を守り、将来の生活を安心して過ごせる環境を整えることができます。認知症による無駄な支出を防ぐには、事前の準備と周囲のサポートが鍵となるのです。