ここでは親が認知症になった場合におこるトラブルを詳しく紹介します。
・親が認知症になった場合のトラブル その5
認知症になると、親が望んでいた遺産相続が計画通りに進められないことが大きな問題となります。認知症によって判断能力が低下すると、親が自身の意思に基づいた遺産相続の計画を立てたり、必要な手続きを進めたりすることが困難になります。これにより、親が思い描いていた相続の形が実現できず、親が特定の相続人に対して持っていた思いやりや配慮が反映されない事態が発生する可能性があります。
たとえば、親がある子供に特定の財産を譲りたいという希望があっても、認知症が進行することで遺言書を適切に作成できず、その結果として相続計画が曖昧になってしまうことがあります。さらに、遺言の内容に関して親族間で意見が食い違い、トラブルに発展するリスクも高まります。遺産分割協議がスムーズに進まなければ、法的な争いに発展することもあり、親が希望していた相続が実現できなくなる場合もあります。
こうした問題を避けるためにも、認知症を発症する前に、しっかりとした相続計画を立てておくことが重要です。例えば弁護士などに遺言書の作成や信託の活用など、適切な対策を講じておくことで、親が望む遺産相続の形を実現し、家族間の争いを防ぐことができるでしょう。