成年後見人を選任する際のデメリットの一つは、特別な理由がない限り、途中で成年後見人を解任できないという点です。
一旦成年後見人が任命されると、基本的には被後見人の判断能力が回復するか、その方が亡くなるまで後見人を解任することは難しいです。これは、被後見人が依然として判断能力の低下が続いている場合にも、途中で解任してしまうと被後見人の保護・支援が不足する可能性があるためです。
特に大きなデメリットとされるのは、選任された成年後見人に対して周囲がその適格性に疑問を抱いている場合でも、途中で成年後見人を解任することが難しい点です。
成年後見人には高度な信頼性と専門的なスキルが求められますが、時には選任後に状況が変わり、その適格性に疑問が生じることがあります。しかし、現行の成年後見制度では、そういった場合でも途中で解任が難しいため、保護の意図が逆に逸脱してしまう可能性があります。
また、成年後見人の役割は非常に大変で負担が多いものとなります。
そのため、成年後見人が負担に耐えきれない状況になった場合でも、単純な大変さを理由にして途中で解任することは難しいとされています。
この点もデメリットと考えられ、成年後見人制度が被後見人の保護と支援を確実にする反面、柔軟性に欠ける一面を抱えていると言えるでしょう。
デメリットとして挙げられるこの制約から、今後の成年後見制度の見直しや柔軟性の向上が求められるかもしれません。
成年後見人の選任や解任が、より的確で柔軟に行えるような仕組みの構築が、今後の高齢化社会での法制度の改革の一環として模索される可能性もあると考えます。