相続財産調査を行う目的のひとつに、「相続税の計算や申告のため」というものがあります。
相続税は、亡くなった方が残した財産の総額をもとに計算されるため、正確な財産の内容を把握しなければ、適切な税額を算出することができません。
そのため、相続財産調査では、預貯金や不動産、有価証券などのプラスの財産だけでなく、借金や未払い金といったマイナスの財産も含めて調査し、財産全体を正確に整理していきます。
まず、銀行口座の残高や定期預金、株式や投資信託、生命保険の内容などを確認し、それぞれの価値を調べます。
不動産については、土地や建物の所在地や面積、固定資産税評価額、登記の内容などを確認し、相続税の計算に必要な資料を揃えていきます。
また、貸付金やゴルフ会員権、美術品など、一見すると見落としがちな財産についても確認することが大切です。
一方で、住宅ローンや借入金、未払いの医療費や税金など、相続財産から差し引くことができる債務についても調査します。
こうした負債を正しく把握することで、課税対象となる財産額を適切に計算することができます。
さらに、葬儀費用の一部も相続税の計算上控除できる場合があるため、領収書などをきちんと保管しておくことも重要です。
このような調査をもとに財産の一覧を作成し、相続税の申告が必要かどうかを判断します。
相続税には基礎控除が設けられているため、すべての相続で申告が必要になるわけではありません。
しかし、財産調査を行わなければ、申告が必要かどうかさえ正確に判断することができません。
また、相続税の申告には、原則として相続の開始を知った日の翌日から10か月以内という期限があります。
調査が遅れてしまうと、期限までに必要な書類を揃えられず、延滞税や加算税などの負担が発生する可能性もあります。
そのため、相続が始まったらできるだけ早い段階で財産調査に取り掛かることが大切です。
このように、相続財産調査は相続税を正しく計算し、期限内に適切な申告を行うために欠かせない手続きです。
財産の内容を正確に把握することで、余計な税負担や申告漏れを防ぎ、安心して相続手続きを進めることができるようになります。

