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高齢者の財産を守る生前対策その8「養子縁組を活用する」

高齢者の財産を守る生前対策として「養子縁組を活用する」という方法は、家族関係を法的に再編し、相続の流れを整えるために用いられる手段であり、思っている以上に実務で使われることが多い仕組みです。一般的に養子縁組というと、子どもがいない夫婦が子を迎えるイメージがありますが、相続対策では必ずしもそうではなく、すでに成人している人を養子にする「成人養子縁組」が中心になります。これは血縁に限らず信頼できる人物を法的に“子”として位置づけることで、財産を承継させたい相手を明確にし、遺産分配をスムーズにする目的があります。

 

たとえば、相続人が少ない場合や、逆に相続人が多すぎて財産をどのように分けるか見通しが立たない場合に、養子を迎えることで相続人のバランスを調整することができます。また、特定の人にしっかり財産を残したいのに、そのままでは法定相続分の割合がうまく整わないとき、成人養子を組み入れることで分配の比率が変わり、結果として意図した相続が実現しやすくなる点も重要です。特に、長年面倒をみてくれた親族や息子・娘の配偶者など、現行法では相続人にならない人に財産を渡したい場合、遺言と組み合わせることでより確実に希望を反映させることができます。

 

さらに、孫を養子に迎えるケースもよく見られます。これは「相続税の節税」につなげることができることが理由のひとつで、法定相続人が増える分、基礎控除額も増えるため、全体の課税額が軽減されやすい仕組みになっているためです。ただし節税だけを目的にすると税務署から否認されることもあり、あくまで家族関係や承継の流れに合理性があることが前提になります。

 

このように、養子縁組は法律上の親子関係をつくるため少しハードルが高いように感じられるかもしれませんが、家庭裁判所の手続きが不要な「普通養子縁組」の場合、双方が同意し戸籍に届けるだけで成立します。そのシンプルさから、高齢者のライフプランや家族事情に合わせて柔軟に利用できる点が大きな魅力です。一方で、養子が法定相続人となることで他の家族との関係が変わったり、遺留分に影響が生じたりするため、メリットだけでなく全体のバランスを見ながら進めることが欠かせません。

 

最終的には、家族全体の将来像を踏まえて、どのように財産や事業を引き継いでいくかという大きな視点の中で養子縁組を考えることが大切になります。弁護士などに相談し、意図した相続の形が自然なかたちで実現するように設計することで、家庭の安定や財産の保全に大きく役立つ手段となります。

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高齢者の財産を守る生前対策その7「事業承継」

事業承継とは、高齢となった経営者が自分の引退後も事業が安定して続くように、会社の経営権や資産、ノウハウなどを後継者へ引き継ぐための準備と手続きを指します。中小企業では特に、経営者個人の判断や経験が事業の根幹を支えていることが多く、適切な時期に計画的な承継を行わなければ、会社の存続が危うくなる場合もあります。そのため、事業承継は高齢者の財産を保全し、従業員や取引先を守るためにも欠かせない重要な生前対策といえます。

 

事業承継では、誰を後継者にするのかを明確にすることが最初の課題になります。後継者は、子どもなどの親族が務めることもあれば、社内の幹部社員や第三者が担う場合もあります。誰が後を継ぐのかによって必要な手続きや準備すべき内容が異なるため、早い段階から候補者を決め、育成に時間をかけることが重要です。また、後継者がスムーズに経営を引き継げるよう、事業の現状や経営方針、財務状況を共有し、必要な教育と引き継ぎを段階的に行うことが求められます。

 

さらに、財産的な側面の整理も重要なポイントです。会社の株式や事業用資産、負債をどのように承継するのかを明確にし、遺言書や株式の移転手続きなどを整えておかなければ、相続が発生した際にトラブルを招きかねません。特に、株式の分散により経営権が不安定になることを避けるため、計画的に株式を後継者へ移しておくことが効果的です。また、税負担を軽減するための対策も欠かせず、贈与税・相続税の特例を活用することで、後継者が安心して事業を引き継げる環境を整えることができます。

 

事業承継には時間がかかるため、経営者が元気で判断力がしっかりしているうちに準備を始めることが理想です。承継の準備が整っていれば、経営者自身の老後の生活も安定し、会社としても継続的な発展が期待できます。計画的かつ丁寧な準備を重ねることで、経営者の築いた財産を守り、次世代へ確実に引き継ぐことが可能になります。

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高齢者の財産を守る生前対策その6「死後事務委任契約」

死後事務委任契約とは、本人の死後に発生するさまざまな手続きを、生前のうちに信頼できる人に委任しておく契約のことをいいます。人が亡くなると、葬儀や埋葬、役所への届出、遺品整理、医療費や公共料金の精算など、さまざまな事務的な処理が必要になります。しかし、身寄りが少ない人や、家族に負担をかけたくないと考える高齢者にとって、これらの手続きを誰に託すかは重要な問題です。死後事務委任契約は、そうした死後の実務を円滑に行うための「生前の備え」として注目されています。

 

この契約は、委任者(本人)が信頼する受任者に対して、自分の死後に行ってもらいたい具体的な事務内容を定めておくものです。たとえば、死亡届の提出、葬儀や納骨の手配、遺品の整理、賃貸住宅の解約、病院や介護施設への支払い、公共料金やクレジットカードの解約など、日常生活に関する手続きを幅広く委任することができます。遺言書が財産の分配を指示する法的効力を持つのに対し、死後事務委任契約は主に「実務的な手続き」を行う権限を与える点に特徴があります。

 

また、死後事務委任契約は公正証書によって作成するのが一般的であり、契約内容を明確にし、トラブルを防止する効果があります。委任を受けた人は、委任者の死後、契約内容に基づいて事務を遂行する義務を負います。家族以外の第三者、たとえば弁護士などの専門家を受任者に指定することも多く、専門知識を活かした確実な対応が期待できます。特に、身寄りのない高齢者や単身世帯の増加に伴い、こうした専門家への委任が増加傾向にあります。

 

さらに、死後事務委任契約は、遺言書や任意後見契約などと組み合わせることで、より万全な生前対策を実現できます。たとえば、任意後見契約で生前の財産管理や身上保護を行い、死後事務委任契約で死後の事務を引き継ぐようにしておけば、人生の終末期から死後に至るまで一貫した支援体制を整えることができます。

 

このように、死後事務委任契約は、死後の混乱を防ぎ、家族や周囲の人々の負担を軽減するための重要な制度です。自らの意思で死後の手続きを託しておくことにより、安心して最期を迎えられる環境を整えることができる点に大きな意義があります。

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高齢者の財産を守る生前対策その5「家族信託という方法」

家族信託とは、高齢者が自らの財産を信頼できる家族に託し、その家族が管理・運用・処分などを行う制度のことをいいます。正式には「民事信託」と呼ばれるもので、信託契約によって財産を託す人(委託者)、財産を預かって管理する人(受託者)、そしてその利益を受ける人(受益者)の三者の関係で成り立ちます。近年では、判断能力の低下や認知症の発症などによって自分の財産を適切に管理できなくなることを見据えた「生前対策」として、この家族信託を利用する高齢者が増えています。

 

家族信託の大きな特徴は、信頼できる家族に財産の管理権限を委ねることで、柔軟で実情に即した財産管理を行える点にあります。例えば、高齢者が所有する不動産を受託者である子どもが管理し、賃貸契約や修繕などを行うことで、安定的に収益を得ながら資産を守ることができます。また、信託財産は受託者の固有財産とは区別されるため、万が一受託者が借金を抱えたり破産したりしても、信託された財産が差し押さえられることはありません。こうした点からも、家族信託は資産を安全に承継していくための有効な仕組みといえます。

 

さらに、家族信託は成年後見制度と比べても柔軟性が高く、委託者の希望に沿った財産の運用や処分を可能にします。成年後見制度では、後見人の行動が家庭裁判所の監督下に置かれるため、一定の制約が伴いますが、家族信託では契約内容に基づいて受託者が自主的に対応できるため、迅速かつ現実的な対応ができます。たとえば、委託者が判断能力を失っても、信託契約で定めた方針に従って受託者が資産を管理・処分できるため、財産凍結のリスクを回避できるのです。

 

また、家族信託は相続対策としても効果を発揮します。信託契約の中で「次に誰に財産を承継させるか」をあらかじめ定めておくことができるため、複雑な相続争いを防ぐことができます。たとえば、配偶者が亡くなった後は子どもへ、さらに孫へと段階的に財産を引き継ぐ「二次相続」の指定も可能であり、将来的な資産承継の計画を明確にしておくことができます。

 

このように、家族信託は単なる財産管理の手段ではなく、将来にわたって本人や家族の生活を安定させるための包括的な仕組みといえます。ただし、契約内容の設計には法的な知識と慎重な判断が求められるため、実際に活用する際には弁護士などの専門家に相談し、最適な形で信託契約を構築することが大切です。信頼関係を基礎としながら、柔軟で安全な資産管理を実現するのが家族信託の最大の魅力です。

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高齢者の財産を守る生前対策その4「生命保険の活用」

生命保険の活用は、高齢者が自分の財産を守りながら将来の不安に備えるための重要な生前対策の一つです。生命保険は単に死亡した際に保険金を受け取る仕組みとして知られていますが、実際には相続対策や資産の有効活用、遺族の生活保障など、さまざまな目的に応じて活用することができます。特に高齢者にとっては、残された家族に確実に財産を引き継ぐ手段として生命保険を利用することで、相続手続きを円滑に進め、家族の負担を軽減する効果が期待されます。

 

生命保険を活用する大きなメリットの一つは、受取人を自由に指定できる点にあります。一般の遺産分割とは異なり、生命保険金は受取人固有の財産として扱われ、原則として遺産分割協議の対象外となります。そのため、特定の家族に確実に資金を残したい場合や、相続人の間で財産の分配に差をつけたい場合などに非常に有効です。また、保険金は現金で受け取れるため、相続税や葬儀費用、当面の生活費の支払いなど、急な資金需要にも対応できるという利点があります。

 

さらに、生命保険には「相続税の非課税枠」が設けられており、一定額までの保険金は相続税の課税対象から除外されます。具体的には、法定相続人一人あたり500万円までが非課税となるため、多額の資産を持つ場合でも、保険を活用することで相続税の負担を軽減することが可能です。たとえば、相続財産が現金や不動産だけの場合、税金や手続きの問題で分割が難しくなるケースがありますが、生命保険を組み合わせることで、現金を円滑に用意でき、遺産分割をスムーズに進めやすくなります。

 

また、生命保険は老後の生活資金として活用する方法もあります。例えば、終身保険や養老保険を利用して貯蓄性を持たせることで、万一の際には保険金が支払われ、元気なうちは解約返戻金を受け取ることで生活費や医療費、介護費用の補填に充てることができます。これにより、万一の備えと老後資金の確保を同時に実現できる点が大きな魅力です。さらに、最近では認知症保険や介護保険など、特定のリスクに備えた商品も増えており、自分の健康状態やライフプランに合わせて選ぶことで、より安心感を得ることができます。

 

ただし、生命保険を生前対策として活用する際には、保険料の負担や契約内容を慎重に検討する必要があります。年齢が高くなるほど保険料は高額になる傾向があるため、早めの加入が有利といえます。また、保険金の受取人や契約内容を明確にしておかないと、後にトラブルが発生する可能性もあるため、公正証書やエンディングノートなどで意思を明確に残しておくことが望まれます。

 

このように、生命保険の活用は、相続税の節税、家族への円滑な資産承継、老後の資金確保といった多面的な効果を持つ生前対策です。自分の財産をどのように守り、誰にどのように引き継ぐかを考える上で、生命保険は非常に柔軟かつ実効性の高い手段となり、安心して老後を過ごすための大きな支えとなります。

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高齢者の財産を守る生前対策その3「任意後見制度」

任意後見制度とは、高齢者や将来判断能力が低下する可能性がある人が、自分の意思をしっかりと伝えられるうちに、信頼できる人をあらかじめ後見人として選び、将来に備えて生活や財産の管理を託すための仕組みです。人は年齢を重ねると、認知症や病気などにより判断能力が不十分になることがあります。そのような状態になると、預貯金の管理や不動産の処分、介護施設への入居手続きなど、日常生活に欠かせない契約や財産管理が自分では難しくなります。任意後見制度を利用しておけば、本人の判断力が十分にある時点で後見人を指定し、公正証書による契約を交わしておくことで、将来判断力が低下した際に、その契約に基づいて後見人が必要な手続きを代わりに行えるようになります。

 

この制度の特徴は、本人が自ら選んだ信頼できる人物を後見人として指定できる点にあります。後見人は親族に限らず、弁護士や司法書士などの専門家を選ぶことも可能で、財産管理や介護サービスの契約、医療機関との調整など、契約内容で定めた範囲の業務を行います。例えば、銀行口座の入出金管理、公共料金の支払い、不動産の売却や賃貸契約、施設入居時の契約などが代表的な役割です。また、本人が望む生活スタイルや介護方針を契約書に具体的に盛り込むことができるため、将来本人が意思を伝えられなくなった場合でも、自分らしい暮らしを尊重してもらえる可能性が高まります。

 

任意後見契約は、公証役場で公正証書として作成することが法律で義務付けられており、これにより契約の内容や効力が確実に保護されます。契約後、本人が実際に判断能力を失ったときには、家庭裁判所に申し立てを行い、任意後見監督人が選任されることで契約が正式に効力を持ちます。監督人が後見人の活動をチェックするため、後見人による不正行為を防ぐ仕組みも整えられています。

 

この制度を利用することで、財産の不正利用や詐欺から本人を守りつつ、介護や医療に関する希望を確実に反映させることができます。一方で、契約の範囲や内容をきちんと決めておかないと、後見人が対応できる業務が限定される可能性もあるため、契約時には将来必要となり得る手続きを十分に想定しておくことが重要です。任意後見制度は、元気なうちに自分の意思で老後を設計し、財産と生活を守るための有効な生前対策であり、安心して暮らし続けるための大きな支えとなる制度といえます。

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高齢者の財産を守る生前対策その2「生前贈与」

生前贈与とは、高齢者が自らの意思で、まだ存命中にその財産の一部または全部を家族や特定の人物に移転することを指し、相続が開始する前に財産を計画的に承継させる手段として広く用いられています。相続が開始した後では、遺産は法律の規定や遺言書の内容に基づき分割されることになりますが、生前贈与を活用することで、本人が望む相手に確実に財産を譲り渡すことが可能になります。この仕組みは、単なる財産の移転にとどまらず、相続人同士の将来的な争いを予防する効果や、贈与を受ける人の生活支援としての役割を果たす点で非常に意義深いものです。

 

例えば、高齢者が長年自宅で一緒に暮らし介護を続けてくれた子どもに自宅を贈与する場合、相続の段階で他の相続人と意見が衝突し、自宅を売却して現金化せざるを得なくなるような事態を防げます。これは、残された家族が安定した生活を送る上で大きな意味を持ちます。また、生前贈与には税務上の観点からも重要なメリットがあります。日本の相続税法上、贈与税には基礎控除や特例が設けられており、例えば暦年課税制度を利用すれば、年間110万円までの贈与であれば非課税で財産を移転できます。これを複数年にわたり活用することで、相続時に集中して課税される財産の総額を減らし、相続税の負担を軽減できるのです。さらに、住宅取得資金の贈与や教育資金、結婚・子育て資金の贈与に関しては、一定の条件を満たせば非課税枠が拡大される特例も存在し、これらをうまく利用することで、贈与を受ける側のライフイベントを支援しつつ、税務上の効果も得られます。

 

もっとも、生前贈与は万能ではなく注意すべき点もあります。例えば、相続開始前の3年以内に行った贈与は「持ち戻し」として相続財産に加算されるため、単純に相続税対策として利用するには計画性が求められます。また、贈与契約は口頭でも成立するものの、後日の紛争防止や証拠確保の観点から、贈与契約書を作成し、場合によっては登記などの法的手続きを経ておくことが望ましいです。特に不動産の贈与においては、登記をしなければ権利の移転が第三者に対抗できないため、実際には贈与が完了していないと見なされるリスクも存在します。

 

さらに、贈与を受ける側に贈与税の負担が発生する点も見逃せません。高齢者が善意で財産を移しても、受贈者が納税資金を確保できずに困る事態もあり得ます。そのため、実際に生前贈与を行う際には、税額の試算や資金計画を含めた総合的な検討が欠かせません。弁護士など専門家に相談しながら進めることで、想定外のトラブルを回避しつつ、本人の希望を最大限実現することができます。

 

このように、生前贈与は単なる財産の移転にとどまらず、本人の意思を生前に明確に示すことで、残された家族に安心をもたらす効果があります。相続開始後には実現できない柔軟な承継方法を選べる点や、税負担を軽減できる可能性がある点を考えると、老後の財産管理や家族への配慮を具体的に形にする有効な手段であるといえます。生前贈与とは、高齢者が財産を守りつつ、その意思を将来に確実に伝えるための実践的な生前対策の一つであり、慎重な計画と適切な専門家の助言を伴うことで、より大きな効果を発揮するのです。

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高齢者の財産を守る生前対策その1「遺言書の作成」

遺言書の作成とは、高齢者が自らの死後に残る財産や権利関係について、誰にどのように承継させるかを明確に定めておくための重要な生前対策の一つです。遺言書が存在することで、相続人同士の間で意見が食い違い、深刻な紛争に発展してしまう事態を未然に防ぐことが可能となります。特に日本の相続制度では、法定相続分が定められているため、遺言がない場合には法律に基づいて画一的に財産が分配されることになります。しかし、被相続人にとっては特定の子どもに多くを譲りたい、あるいは生前に介護や支援を尽くしてくれた相続人に相応の評価を与えたいなど、法律だけでは反映しきれない希望を持つことも少なくありません。遺言書はそのような本人の意思を具体的に示すことで、財産分配を希望通りに実現させる手段として大きな役割を果たします。

 

また、遺言書は相続人に限らず、法律上の相続権を持たない人物や団体への財産の承継を可能にする点でも有効です。例えば、内縁関係にある配偶者や長年世話をしてくれた友人、慈善団体や公益法人などに財産を遺すことも遺言書によって実現できます。これにより、生前に築いた人間関係や価値観を死後も形として残すことができ、本人の意思をより尊重した財産の移転が行われます。さらに、遺言書の内容によっては、遺産分割協議そのものを不要にすることができるため、相続手続きの簡素化や迅速化にもつながります。

 

遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言といった形式がありますが、いずれも法律が定める方式を守らなければ効力を発揮しません。特に自筆証書遺言の場合、記載内容や形式に不備があると無効となる可能性があるため、弁護士などの専門家に相談しながら作成することが推奨されます。近年では法務局での自筆証書遺言の保管制度も整備され、より確実に本人の意思を残せる仕組みが整えられています。一方、公正証書遺言は公証人が関与して作成するため、形式的な不備が生じにくく、相続発生後に内容をめぐる争いを避けやすいという利点があります。

 

遺言書を残すことは単に財産の分け方を決めるだけではなく、残された家族の生活を守り、無用な争いを避けるという社会的意義も含まれます。例えば、残された配偶者の生活保障を重視して遺産の大部分を配偶者に残すことや、未成年の子どもの将来を見据えて後見人を指定することなども遺言書によって可能です。こうした措置は、家族が安心して相続後の生活を送るための基盤となります。

 

つまり、遺言書の作成は高齢者にとって財産を守るための有効な生前対策であり、本人の意思を尊重しつつ相続人間の紛争を未然に防ぎ、残された家族が円滑に新たな生活を営むための重要な役割を担っています。

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高齢者の財産を守る「生前対策」とは

生前対策とは、高齢者が自らの財産や権利を適切に管理・活用しつつ、将来に起こり得る様々な問題やトラブルに備えるための事前の準備を指します。具体的には、認知症などによって判断能力が低下した場合の財産管理の方法、相続時における遺産分割トラブルの予防、家族や関係者への意思の明確化などが主な目的です。これにより、自身の意向を尊重しながら、残される家族に負担をかけずに安心した老後を送ることが可能となります。

 

まず重要なのは財産の現状を把握することですで、預貯金、不動産、有価証券などの資産と、借入金やローンといった負債を整理し、全体像を明らかにすることで具体的な対策の方向性が見えてきます。そのうえで、必要に応じて遺言書の作成や信託契約の活用を検討します。遺言書を用いれば、法定相続分にとらわれずに財産の分配方法を指定でき、家族間のトラブルを未然に防ぐことができます。また、民事信託を活用すれば、信頼できる家族や第三者に財産管理を委ねつつ、本人の意思に沿った形での運用が可能です。

 

さらに、将来の介護や医療の希望を伝える手段としてエンディングノートを活用することも有効です。これは法的効力はありませんが、本人の考えや希望を明確に伝えるための手段として、家族との対話のきっかけにもなります。また、任意後見契約を結んでおけば、判断能力が低下したときに、弁護士のような信頼できる代理人が法律的に本人を支援することができます。これは、成年後見制度を受け身で利用するのではなく、あらかじめ自らの意思で選んだ人に任せるという点で、より主体的な選択が可能です。

 

このように、生前対策は単なる財産管理の枠を超え、将来の安心と自立した生活の維持、家族への思いやりを形にする行動でもあります。できるだけ元気なうちから取り組むことが、後の人生を穏やかに、そして自分らしく生きるための大きな支えとなるのです。

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当事務所の夏季休暇のご案内

澁谷・坂東法律事務所の弁護士の坂東です。

 

当事務所の2025年の夏季休暇(お盆)は、2025年8月11日(月)から2025年8月15日(金)となります。

 

ご不便ご迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。

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