ここでは親が認知症になった場合におこるトラブルを詳しく紹介します。
・親が認知症になった場合のトラブル その7
認知症になると、悪徳商法や詐欺に引っかかるリスクが大幅に高まる点は、大きな問題として挙げられます。判断力や記憶力が低下することで、詐欺師の巧妙な手口に対抗することが難しくなり、結果として不必要な契約や商品購入に応じてしまうケースが多発します。特に、高額な健康食品や架空の投資案件など、認知症の方を狙った詐欺被害が多いとされています。
こうした被害が発生すると、本人の財産が大幅に減少し、生活に必要な資金が不足する事態を招くことがあります。さらに、一度騙されると、詐欺師から「狙いやすい」とみなされ、複数回にわたって被害を受ける可能性も高まります。家族がその事実に気づいた時には、すでに大きな経済的損失が生じていることも少なくありません。
また、認知症の方が契約内容や被害の詳細を十分に説明できない場合、被害を取り戻すための法的手続きも困難を伴います。そのため、家族や周囲の人々が認知症の進行に伴う財産管理のリスクを認識し、早めに対策を講じることが重要です。信頼できる専門家に相談したり、財産管理契約や成年後見制度を活用したりすることで、こうした被害を未然に防ぐことができます。財産の流出を防ぎ、安心した生活を守るためには、早めの準備が鍵となります。