ここでは親が認知症になった場合におこるトラブルを詳しく紹介します。
・親が認知症になった場合のトラブル その10
認知症になると、日々の計画的な金銭管理が難しくなるという問題が生じます。判断力や記憶力の低下により、日常的な収支の把握が困難になり、必要な支出ができなくなる場合があります。その結果、生活の質が大きく低下する可能性があり、場合によっては健康面への悪影響も懸念されます。
例えば、毎月の家賃や光熱費の支払いを忘れてしまうことで、滞納が発生することがあります。これが続くと、住居を失ったり、電気や水道が止められたりするなど、生活に直接的な悪影響を及ぼす恐れがあります。また、食事や医療費といった基本的な生活費の支出が滞れば、健康状態が悪化し、深刻な事態を招くことも考えられます。
さらに、認知症の影響で不要な買い物や無駄遣いが増えることも少なくありません。必要以上の商品を購入したり、同じものを何度も買ってしまったりすることで、家計が圧迫され、将来的な支出に充てるべき資金が不足するリスクが高まります。また、悪徳商法や詐欺に引っかかり、金銭的な損害を被るケースもあります。これらの無計画な支出が続けば、本人だけでなく家族にも経済的負担を及ぼすことになります。
こうしたリスクを防ぐためには、早い段階から金銭管理に関する対策を講じることが重要です。弁護士のような信頼できる専門家に相談し、財産管理をサポートしてもらうことで、認知症による金銭管理の問題を最小限に抑えることができます。さらに、民事信託や財産管理契約を利用することで、計画的な金銭管理を継続的に行う仕組みを整えることができます。これにより、生活の質を維持しながら、将来的な不安を軽減することが可能となります。